冬の花火
「お祭りの夜、出店が並ぶお寺の境内でクラスの男の子に会った。目があっただけなのに顔が火照り、お線香のけむりが花火のように見えた。」"この文章から、女の子のどのような気持ちが読みとれるか"
たしか、そのような内容であったと思う。中学の国語の問題である。
人は、その時の心の状態で見える風景が、薔薇色にもなり灰色にもなる。
今の私は、花火を見てもお線香のけむりに見えてしまうのであろうか。
消えゆくものに心を囚われ、灰色の風景が続いている。
美しい紅葉、澄んだ空、何を見ても寂しさが押し寄せてくる。
冬の花火は、どこか物悲しい。
でも、心の持ちようで、景色の色は変わる。
そう自分に言い聞かせて、前に一歩、踏み出してみるが、初冬の冷たい空気が頬を刺す…
厳しい冬は、これからである。
Written by R
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